ポジショニングマップで見つかる自社の独自性
競合との差別化を図るための効果的なブランディング手法:ポジショニングマップの活用
競争が激化する市場において、企業が選ばれ続けるには競合との差別化が不可欠です。
製品やサービスのクオリティが同質化が進む中、自社のブランドを独自性のある存在として際立たせるかが重要な課題となってきます。
ブランディングに置いて、ポジショニングマップを活用することは、とても有効的で重要な工程の一つです。視覚的にターゲットやペルソナから自社の立ち位置を見出し、競合との違いを明らかに理解することができるのです。
この記事では、競合との差別化を図るための具体的なポジショニングマップの使い方について解説します。
下記のような方はぜひご覧ください。
・相見積もりなど価格競争で負けてしまう
・流行りを取り入れることに注力し、自社ならではの商品がない
・自社だけが持つ独自性が分からない
この記事を通して、今よりも前に進むお力添えができれば嬉しいです。
◾️ ポジショニングマップって何?
ポジショニングマップは、企業の製品や取り組みなどを消費者・顧客の心の中でどのような立ち位置にいるのかを視覚的に把握することができるものです。
消費者・顧客から見た時に自社にどのような価値や特徴があるのかを、縦軸と横軸に配置し、自社や競合他社をマッピングしていきます。
これにより、企業は市場における自社の強みや弱み、競合との差異を視覚的に理解できるようになります。
◾️ ポジショニングマップの活用による差別化戦略
ポジショニングマップを使って差別化を図る手法は、以下のステップに従って実施することが効果的です。
1. 市場分析と競合調査
まず、ポジショニングマップを作成するためには、市場分析と競合調査が必要です。
市場の中で自社がどの位置にいるのかを正確に把握するためには、競合他社のブランドや製品が顧客の心の中でどのように位置づけられているかを把握する必要があります。
競合調査の結果を基に、各ブランドがどのような特徴を持ち、どのように顧客に認知されているかを理解します。
2.自社の強み/弱み
競合分析が完了したら自社の持つ価値を見つけ出します。
顧客にとって自社はどのような価値を持っているのかをあらゆる視点で洗い出し、そしてその反対に位置する価値も見出します。
3. 自社のポジショニングをマップに落とし込む
競合分析が完了したら、次に自社のブランドをポジショニングマップに落とし込みます。
このプロセスを通じて、自社が市場のどこに立っているのか、また、競合他社との違いが視覚的に把握できるようになります。
4. 差別化ポイントの発見
ポジショニングマップが完成したら、競合との差別化のための具体な機会を発見します。これには、次のような視点で分析します。
例えば、美容院の市場で多くの競合が「女性向け・低価格」な商品を提供している市場で、自社が「女性向け・高品質」のポジションを狙えば、他の競合と明確に差別化できる可能性があります。
競合の強みと弱みを把握する:競合の強みを避けつつ、競合の弱点に対して優位性を持てるポイントを強調する戦略を立てます。たとえば、革新性の面で競合に勝てない場合でも、伝統や信頼性を前面に押し出すことが有効な差別化戦略となることがあります。
5. ブランドストーリーの再構築
ポジショニングが明確になったら、そのポジションを強調するためのブランドストーリーを再構築します。
ブランドストーリーは、顧客に対してどのようにして価値を提供するか、ブランドの背景やビジョン、ミッションを伝えるための重要な手段です。
ポジショニングマップで発見した差別化ポイントをブランドストーリーに反映させることで、顧客に対して他にはない独自の価値を強く印象付けることができます。
たとえば、パン屋さんの市場で価格競争を避けて「健康面」や「地域密着」を前面に押し出すことで、競合との差を明確にし、顧客に訴求することが可能です。
◾️ ポジショニングマップを活用した成功事例
ポジショニングマップを活用した成功事例として、多くの企業が独自のポジションを確立し、市場での競争優位性を築いています。以下はその代表例です。
1. イケア(IKEA)
家具業界での例として、IKEAはポジショニングマップを活用して競合と差別化を図りました。
家具の市場には、低価格で大量生産される商品と、高品質で高価格な商品が存在していましたが、IKEAは「手頃な価格で、スタイリッシュかつ機能的な家具」を提供するというポジションを狙いました。
ポジショニングマップ上では、IKEAは「低価格・高デザイン性」というポジションにあり、競合があまり注力していない市場セグメントをターゲットにしました。
その結果、IKEAは価格感度の高い消費者層に支持され、世界的なブランドとして成長しています。
2. テスラ(Tesla)
自動車業界でのテスラの例も、ポジショニングマップを活用した効果的な差別化戦略の一つです。
自動車市場は、伝統的に「高級車」と「大衆車」に二分されていましたが、テスラは「高性能でありながらエコフレンドリーな電気自動車」を提供するという新しいポジションを狙いました。
ポジショニングマップ上では、「革新性・エコフレンドリー」という軸で他の自動車メーカーと明確に異なる位置に立ち、競合がまだ開拓していなかった電気自動車市場で大きな成功を収めました。
4. ポジショニングマップの定期的な見直し
市場環境や顧客のニーズは常に変化しています。
そのため、ポジショニングマップも定期的に見直し、必要に応じて自社のポジションを再評価することが重要です。
新しい競合が登場したり、顧客の嗜好が変わったりする中で、自社のポジションが正しい位置にあり、であるかどうかを定期的に確認し、ブランド戦略を柔軟に調整していくことが求められます。
まとめ
ポジショニングマップは、競合との差別化を図るための非常に効果的なツールです。
市場や競合の状況を視覚的に把握し、自社だけが持つ独自性を見つけ出しましょう。
ポイントは自社目線ではなく、顧客にとってどのような位置付けになるのかを意識的に考えてみましょう。